11月5日(墜落と持ち物)

毎年の事ながら、この季節になると、下がりはじめる気温と比例して気持ちも落ち始め、急旋回急降下を繰り返した挙句に「生きている意味とは」へと墜落し、墜落地点の土を延々とほじくり返す。ここ数日に渡る自己会議の結果、無事に年を越すために、年末までの残り2ヶ月間は、画用紙を線で埋め続けることで、全ての均衡を保つことになった。良いお年を。

 

芸能人のバッグの中身紹介が大好きで、数多のファッション誌内 "モデルの持ち物チェック" を立ち読みして廻り、遂には、芸能人のカバンの中身だけを特集した雑誌まで購入済みである。他人の持ち物を知ることは、人間そのものを観察するよりも、間接的に他人の生活を感じられる。小学生の女の子が、プロフィール帳に友達の情報をコレクションして眺めたいのと同じで、他人の生活・持ち物・個人情報とは、利用価値に関係無く、魅力的なものである。プロフ帳を集めるのと同じくらい、書くことに快感を感じていた様に、自分の持ち物の詳細も、是非とも大声で紹介したいけれど、それは、自分自身が世間に認知されることよりも自分を把握されるであろう行為だから、ハードルが高すぎるし、そもそも、世間と自分とのスケールの違いに、震え上がってしまう。

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