2月22日(ルールとジャージ)

生きている上で常に自分に課しているルールが幾つかあり、食事の際は例え1人でも「いただきます・ご馳走様」を言う、電車でお年寄りに必ず席を譲る、いつでも360度開脚出来るようにしておく、等々、20年そこそこの人生で築き上げた、自己肯定の裏付けのようなもので、もし全てコンプリート出来ていないようならば人間として認められないとすら思っている。ちなみに、去年から肉離れの所為で脚の柔軟が十分に出来ていない為、私の人間としての価値は大暴落している。

 

家から徒歩5分くらいならジャージで出掛けてしまうので、いつも通りジャージにジャケットを羽織って近所のスーパーまで行ったら、母親と一緒に来ていた男の子が私と同じジャージを履いていた。現役の中学生である。唐突に、自分のジャージが中学時代のものであることを思い出し、同時に、自分は22歳で、あの子より10歳近く歳上なのだと気付かされて唖然とした。中学は殆ど行かなかったからか、単にジャージの耐久性が優秀過ぎたからか、男の子が履いているものと変わらない見た目のジャージと、しかし確実に流れた10年という年月とのギャップに、地域の小さなスーパーのレジで、時空が歪んだ。

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